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こんにちは。
最近雨が多いですね。春の長雨で、ジメジメしていますね。晴れの日が貴重です。
さて今回はピロリ菌No.1として、ピロリ菌の歴史について説明していきます。
良かったら最後までお読みください。
最近、よく知られるようになってきていますが、「健診で引っかかったから来たけど、ピロリ菌って何?」という人も結構います。
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリといい、感染していると胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃癌にもなりやすくなります。
具体的にどれぐらいなりやすいかというと、ピロリ菌感染した人は感染していない人より5倍ほど胃癌になりやすいらしいです。
ここで注意なのは、ピロリ菌に感染していなくても、胃癌になる可能性があると言う事です。
ピロリ菌がいないからと言って、胃カメラやバリウムなどの検査をさぼらないようにしてください。
脱線しましたが、このピロリ菌の歴史をたどると、いろいろスッタモンダあった様です。
1800年代後半に「胃にも細菌がいる」という人がチラホラ出てきます。
理由は簡単でその頃に顕微鏡が普及し始めたからです。皆さんも虫眼鏡を初めて買ってもらった頃はいろんなものを見ていたのではないですか?
偉い学者さん達も同じで、高いおもちゃでいろんなものを見ていました。その内の一つが胃の粘膜であったというわけです。
え、私? 私は虫眼鏡で黒紙を太陽の光で燃やしてました。
1900年代
しかし、1900年代にはいり、その道の大家の人が「胃には細菌はいなかった」と発表し、「胃酸で滅菌されるから胃には細菌はいない」という人が増え始めます。
その後、胃に細菌が「いる」派と「いない」派にわかれて論争が繰り広げられる様になります。そして、「胃で細菌を発見した人は、実験中に誤って別の所にいた菌が混入したのではないか」という意見が主流となっていきます。
また、その頃は胃癌の原因になる慢性胃炎や胃潰瘍はストレスからしかならないという説が有力でした。
そんな中、ウォーレンとマーシャルは胃の中の細菌(ピロリ菌)の培養に成功し、慢性胃炎の原因菌だと唱え始めます。
しかし、主流派からは相手にされず、「じゃあ、証明してやるよ」とばかりに、マーシャルは培養したピロリ菌を飲んで、見事に自説を証明しました。
この一連の研究によりウォーレンとマーシャルは、2005年にノーベル賞を受賞しました。
この話から分るようにピロリ菌は口から摂取する事で感染します。
日本は戦後に井戸水などを飲む事により感染が広がり、その後に高度経済成長を挟む事で、先進国とは思えないほどのピロリ菌の感染率であったそうです。その影響からか昔は癌と言えば胃癌と思い浮かぶぐらいには、多くの人が胃癌にかかり、そして亡くなっていました。
癌の治療は早期に発見して、早期に治療する事で、癌の増大の抑制や、体への負担の軽減が可能になります。
昔はその早期発見に健診のバリウム検査が利用されていましたが、胃カメラが登場してからは、より早期に癌が発見でき、早期の癌であれば胃カメラで切除できるため、より体への負担が軽くなるようになりました。
とはいえ、たとえ、技術が進歩しても、皆さんが検査を受けなければ全く意味がない事ですので、このブログを見た方でピロリ菌感染が心配な方や、胃癌が心配な方は是非とも、当院でとは言いませんので、胃カメラを受けて下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。